「雅楽(ががく)」とは、日本に古くからあった歌と舞に、アジア大陸から伝わった器楽と舞が加わり、日本にあった形に整えられ、1300年以上の歴史と伝統を持つ音楽と舞をいいます。
今日伝わる雅楽の形になったのは、ほぼ10世紀頃(平安時代中期)のことといわれ、日本で最も古い古典音楽とされています。
雅楽は、儀式のために完成された音楽であり、主に宮廷や貴族社会、神社や寺院などで行われてきました。平安文化隆盛の中、嗜み・教養の音楽として高められ、現在に伝承されています。
その音楽・舞踊・楽器・装束等は、日本人の叡智、感性、美意識の結晶であり、日本を代表する総合芸術といえます。
また、仏教と雅楽は、こと浄土宗におきましても当然に、大変関係が深いのです。
浄土宗元祖である法然上人の御伝記、『法然上人行状絵図(四十八巻伝)』(第9巻)には、文治四年(1188)8月14日から9月12日迄の写経会(発起人:第77代後白河法皇)において、その最終日12日午前10時頃に「十天楽」という曲を奉し、導師下高座の際には「干秋楽」という曲目も奏じてあると記されています。